こんにちは,えいたです.
今回は「マイコンボードの周辺回路設計で抑える要点集」を紹介します.
マイコンボード設計では様々な知識をフル活用します.
一見,電子回路の知識だけで済むものではなく
情報工学や機械工学の分野の知識も使いながら設計していきます.
しかし,どこから勉強すべきか困惑する方がいらっしゃると思います.
今回の記事を読めば「どこから設計をスタートすべきか」がわかります.
私はクラシックマウス競技というロボット大会で
PiCo杯の優勝経験があるものです.その知識を活かして今回の記事に言及します.
なお,以下に示す回路図はすべて私が現在設計中のマイコンボードの様子を抜粋した画像です.
そちらを用いて説明を行っていきます.
参考回路図の把握
ご存じの方もいらっしゃいますが,
たびたび「マイコンボード設計」というワードで紹介されるものがあります.
あの内容はマイコンの周辺回路を設計することを示してます.
マイコンの中身を設計することではありません.
マイコンの型番を調べれば,そのデータシートが見つかり
参考回路図を見つけれます.最初はそれを完全に真似して設計するのがおすすめです.
また,この記事で紹介する機能はすべて,マイコンにあるピンの機能を指します.
(ちなみに,コンピュータの中身をソフトウェア的に設計するのがLSIという分野です.)
私が発見した,マイコンボード設計に有益な情報がある記事がありました.
以下のサイトからもマイコン周辺回路設計に関する情報が公開されてます.
RXマイコンの基板パターン設計ガイドのご紹介 | Renesas, https://www.renesas.com/jp/ja/blogs/design-guide-rx-mcu-board-wiring-pattern, RENESAS BIG IDEA FOR EVERY SPACE
マイコンの基本構成、動作 | Renesas, https://www.renesas.com/jp/ja/support/engineer-school/mcu-01-basic-structure-operation, RENESAS BIG IDEA FOR EVERY SPACE
ピン配置とタイマー数の把握

マイコンにはピンとよばれる端子がいくつもついてます.
その一つ一つはまったく異なる機能で構成されてる端子です.
そしてマイコンの中ではいくつものタイマーがあります.
タイマーはカウントする機能のものを意味します.
皆さんが設計するマイコンボードを何に使うのかによってはタイマー数を先に把握する必要があります.
そのタイマーは限られたピンを接続することで利用することができます.
動作モード

マイコンボード設計する中で,「動作モード」に絶対にふれます.
「動作モード」とは
「ブートモード」か「シングルチップモード」のどちらか2機能を実現するモードです.
それぞれの意味は以下の表です.
シングルチップモード | プログラム起動 |
ブートモード | プログラム書き込み |
つまりブートモードはコードをマイコンにビルドすることを示し
シングルチップモードとは,そのビルドされたコードのプログラムに従って稼働するモードを指します.
動作モードピンがマイコンのどこかにあります.
そのピンは重要なピンですので必死にデータシートでさがしてください.
リセット

「リセット」とはマイコン起動後,供給電圧が内部で不安定に供給され
リセットボタンを押して一度再起動させるという機能です.
上記の画像のRES#_SWラベルがHIGHになるとリセット開始になるというものです.
このリセット機能にはリセットにかかる時間があります.それを規定内で守る必要があります.
ぜひこのリセット機能があるピンを注意深く探して配線設計してください.
クロック発生回路

次に抑えるのは「クロック発生回路」です.
マイコンは内部の周波数だけでは処理できないことが多いため
外部に周波数生成器を設置してそこから供給することが多々あります.
ここの配線設計の仕方もデータシートで調べてください.
この回路で活躍する主な電子部品は「水晶振動子」か「MEMS振動子」で
クロック発生回路の専用ピンに接続することをお願いします.
電気的特性
どの半導体と接するにしろ,定格電圧や定格電流などがあります.
マイコンボード設計ではその定格を把握するためにデータシートで
「電気的特性」というページを確認します.
供給電圧の数値が合ってるかどうかを確認するためには
そのページで確認するとよいでしょう.
マイコンとのUSB通信

もちろんマイコンボードを作るうえで
何かしらの手法でマイコンと通信する必要があります.
例えば,「プログラム書き込み」「モニター出力」「センサーデータ取得」などです.
一般にまず優先するのは「プログラム書き込み」です.
ここで利用されるシリアル通信はUSBです.
USB通信には「D+」,「D-」という2端子が一番肝心な役割をします.
マイコン側に「D+」「D-」という端子があり,USBコードにも「D+」「D-」があります.
かならずこの2端子の配置位置に気を付けるようにお願いします.
以下のURL先のサイトにUSB type-bのピン配置について参考になる図があります.
USBインターフェイス ピンアサイン – tmct-web (xrea.com), https://ss1.xrea.com/tmct.s1009.xrea.com/ref/ta-xx-7e3m04.html, tmct-web
未使用ピンの処理

これまで取り上げた機能やそのピン以外にも重要なピンはあります.
マイコン内部電源電圧を安定させる平滑コンデンサをつける専用のピンなどがあります.
あるいは「水晶振動子」などを接続する専用ピンです.
これらは場合によっては接続しないときもあります.
そんなときは未配線にしてよいかをかならずデータシートで確認する必要があります.
守らなかった場合はノイズが内部で発生してしまうからです.
大抵は「GNDにつなげてください」や「プルアップさせてください」,「ピルダウンさせてください」などの記載があります.上記の画像でも
何も機能を果たさない端子にはデータシートに従ってGNDに接続したり
プルアップさせたりしてます.
まとめ
最後までご覧いただきありがとうございます.
私は現在もマイコンボードの設計を目指しています.
その設計記録を参考にしたい方は以下のURLをクリックしてください.
周辺回路図をここに記録【自作マイコン製作中】【大学生ブログ】 | えいたブログ Eita blog (robo-diary.com)
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